熱・湿度の話
2016年1月15日大阪で「ドイツ建築研究から見えてくる、エコロジー建築の未来」と題して、ドイツフラウンホーファー建築物理研究所のダニエル氏と田中絵梨氏の来日公演があって聞きに行った。
ドイツのエネルギー政策は4年後の2020年に新築はすべてゼロエネルギーハウスしか建てられない。
それに向かって各研究が進んでいるそうである。内容はたくさんで書ききれない。
後半は建物における熱・湿度の話である。温度・湿度は時々刻々と状況により変わるので大変難しいことが今一度再確認できた。
本日1月20日、事務所のある大津は朝から雪が降った。
この冬初めての積雪で、5センチぐらい積もったと思う。
事務所に来てとにかく寒いので、机に設置してある温湿度計を見ると室温4.5℃・相対湿度59%である。
EMPEXの温湿度計には緑色が快適ゾーン、赤・黄色ゾーンが注意ゾーンと書いてある。さて気温4.5℃はと見ると、白色ゾーンなので快適でもなく、注意でもない。寒いというのは不快ではないらしい。
(相対)湿度は15%~40%が風邪注意ゾーン、40%~65%が快適ゾーン、80%~92%が食中毒注意ゾーンである。相対湿度59%は快適ゾーン。
こんなに寒いのに「快適ゾーンとは何かの間違いでは・・・?」とここで思った。
エアコンのスイッチを入れるとまたたく間に室温が10℃、12℃と快適ゾーンを目指して上がっていく。
相対湿度は反対に50%、40%と風邪注意ゾーンに入ってきた。
15℃の時、相対湿度33%
15.5の時、相対湿度31%
19℃の時、相対湿度27%となりすべて風邪注意ゾーン、過乾燥である。
空気線図でかくとこんな感じ。絶対湿度は一定だから水平に変化する。
絶対に上部の快適ゾーンにはいかない。
こんな過乾燥だからインフルエンザが冬に流行るのである。相対湿度40%以上ならインフルエンザは防げます。ワクチンはいらない。
エアコンの室温設定は24℃なのにこれ以上上がらない。
今度は放射温度計を持ち出し各部位の温度を計ってみる。
エアコン吹き出し口は40.9℃、窓ガラス表面8.7℃、外壁面下部10.1℃、外壁面上部13.9℃
床タイルカーペット12.1℃、天井14.3℃ですべてアウト。
唯一の快適ゾーンに入ったのはパソコン液晶画面の22.2℃である。
次にエアコンの風が直接当たるところに温湿度計を置いてみた。
22℃であり快適ゾーンを示している。しかし相対湿度は26%で風邪注意ゾーンである。
しかし生暖かい乾燥した風が直接当たるのはとても快適とは思えない。不快である。
こんな寒い日は「どうしたら快適な生活が出来るのだろう」と本当に考えてしまう。
しかし、3か月もすれば春になり今日のことは忘れてしまう。この繰り返し。
やっぱり建物は断熱して、室温を上げて日本の冬は加湿する必要があることを実感した一日であった。
断熱せず、室温を上げて加湿すると結露して、ダニ、カビが発生するのでダメなのである。
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