高気密高断熱のマンションは、外の湿気が室内に流入しにくいため、部屋が乾燥しやすいという人がいます。
気密が高いと、外の湿気が流入しにくい?
本当でしょうか。
住宅は人が生活する空間ですから必要換気量は1人当たり、1時間当たり 30m3 の外気を室内に入れて、不要な二酸化炭素を排気するために換気をします。どうしても外気を室内に取り入れないといけません。
日本の都市と他国の都市での違いを検証します。
2023年1月04日12時(日本時間)のデーター
京都市は外気温度 5℃、湿度66%
パリは外気温度10℃、湿度86%
京都の外気温度 5℃、湿度(相対)66%の外気を室内に入れ、そして加温して20℃に上げると湿度(相対)27%になります。
同じくフランス、パリの外気温度 10℃、湿度(相対)86%の外気を室内に入れ、加温して20℃に上げると湿度(相対)46%になります。
空気線図でこのように作図します。
空気環境(ビル管理法)の基準では湿度(相対)は40~70%ですから、京都の建物では乾燥していることとなり、フランス、パリの建物では基準内でOKとなります。
日本の空気環境では冬の外気を取り入れて20℃に暖房するとパリに比べてどうしても乾燥します。空気環境(ビル管理法)の基準でも湿度(相対)27%は乾燥していると言えます。
厚生労働省のHPに相対湿度基準が出ています。
結論:
「高気密高断熱のマンションが乾燥する」と言うのは間違いで、そもそも同じ空気であっても温度が上がると相対湿度は低くなり、乾燥するという事です。
空気温度 5℃、湿度(相対)66%の空気は空気温度 20℃、湿度(相対)27%になります。
日本の冬の空気は他国の空気に比べて元々湿度が少ないのが原因です。
部屋が乾燥するのは「高気密高断熱」が原因ではありません。
それは「高気密高断熱のマンション」は冬暖かいので、
何もしなければ、過乾燥になってしまいます。
今までのマンションは薄い断熱で、すき間風が多かったので、単に暖かくならず、結果乾燥しなかったのです。
何もしなければ・・・
何かしたら・・・どうなるのか
次回は日本の冬の空気の特徴である、この乾燥する問題をどのようにするかを考えてみたいと思います。
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